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2016年3月20日日曜日

漢方薬の副作用

甘草による偽アルドステロン症

偽アルドステロン症は、アルドステロンが増加していないにもかかわらず、高血圧低カリウム血症が起きてる状態である。

自覚症状としてはむくみ、手足のだるさ、しびれ、脱力感などが現れる。

初期では服用を中止することで症状は改善するが、放置して重症化した場合では、起立・歩行困難、意識消失が起こり入院となることもある。

偽アルドステロン症は早い人では10日以内に発症するが、数年以上服用を継続した後に発症することもあるので、ずっと服用しているから大丈夫という油断をしないようにしたほうがよい。

麻黄中のエフェドリンによる副作用

麻黄にはエフェドリンが含有されており、麻黄を含む漢方方剤ではエフェドリンによる副作用に注意する必要がある。

エフェドリンによって動悸、手のふるえ、血圧上昇、興奮が起こる可能性がある。

附子中のアコニチンによる副作用

附子は減毒処理がされているため、附子含有方剤が原因で死亡する可能性はほとんどないが、附子中のアコニチンによって、動悸やのぼせ、吐き気が起こる可能性がある。

地黄による胃腸障害

地黄を含む漢方方剤では胃腸障害の報告がある。

間質性肺炎・肝機能障害

小柴胡湯とインターフェロンの併用による間質性肺炎の報告が有名である。併用により、死亡した例もあり漢方方剤で唯一、小柴胡湯のみに警告が記載されている。

現在の研究でも明確な作用機序は明らかになっていない。肝機能障害については、黄ゴンという生薬に含まれる成分の代謝系が原因でないかと考えられており、黄ゴンを含有する漢方方剤では注意が必要である。

重度肝機能障害や間質性肺炎が起こるケースはおよそ3万人に1人、軽度の肝機能障害は200-300人に1人ほどと言われている。

間質性肺炎では、空咳、呼吸困難、微熱の継続などがみられる。肝機能障害が起きている場合、からだのだるさがとれないといった症状や黄疸がみられることがある。

腸管膜静脈硬化症

漢方薬が長期的に服用されるようになったことによって報告されはじめた副作用が腸間膜静脈硬化症である。原因生薬は山梔子であると考えられている。

症状としては右側の腹痛、下痢、吐き気が現れることがあるが、自覚症状がない場合もある。