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2017年11月2日木曜日

帯状疱疹について

ウイルス感染症と宿主の特徴

インフルエンザ型と水痘型に大別

インフルエンザ

  • インフルエンザウイルスの気道感染が原因
  • 免疫不全に関わらず発症
  • 回復はウイルスに対する免疫応答
  • 抗ウイルス薬で免疫が立ち上がるまで、感染拡大を抑え続ける
  • 既存免疫があれば、治療期間は短い

感染細胞の反応でウイルスが病気を起こす

水痘

  • 潜伏期は免疫状態、14日から3~4週
  • 皮疹形成は免疫応答による→極端な免疫低下では皮疹形成なし
  • 免疫不全では免疫の立ち上がりが遅く、ウイルスが増殖するため潜伏期が長い
  • 回復やウイルス排除は免疫応答
  • 抗ウイルス薬で免疫が立ち上がるまで、感染拡大を抑え続ける

ウイルスに対する免疫応答が病気の原因

免疫不全と水疱瘡・帯状疱疹

腹痛から始まる水痘は予後が悪い

帯状疱疹は、子供で水痘にかかった時にウイルスが神経に潜伏し、50~60年して病気を起こす

ある研究によると、水痘ワクチン接種した白血病児は水痘にかかった白血病児に比べ、帯状疱疹が減少した。ワクチン接種でも、皮疹が出た場合、出なかった場合に比べ、帯状疱疹が増加した。

体内でどれだで増えたかが重要と考えられる(ワクチン接種すると残存ウイルスが少なくなり、帯状疱疹少ない)。

帯状疱疹

病態

皮膚へ行ったウイルスが帯状疱疹を起こす。 脊髄へ行ったウイルスは髄膜、脊髄後角、脳で増殖して神経合併症を生じる。

顔面の帯状疱疹で頭痛などの伴う場合、髄膜炎を併発している可能性がある。

ウイルスはシュワン細胞などに感染しながら、皮膚粘膜に下行する。 神経束は神経周膜に包まれ、免疫担当細胞から隔離されているため、皮膚に至り免疫に曝され帯状疱疹が発症する。

神経に潜伏しており、神経の束にそって出る(デルマトーム)。

70~80%の帯状疱疹患者では前駆痛を経験する。 前駆期は2~3日が多いが1週間程度続くこともある。

帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹後神経痛のリスク因子

  • 帯状疱疹中の痛みの強さ
  • 皮疹の重症度
  • 前駆痛の強さ

帯状疱疹後神経痛(PHN)は50歳以上で増加する