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2016年11月14日月曜日

関節リウマチに対するメトトレキサートの投与方法

関節リウマチとは

関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis:RA)は関節滑膜の増殖による慢性・持続性・骨破壊性の多発関節炎を特徴とする全身炎症性疾患。女性の患者数の方が多く、男女比は1:3くらい。関節症状だけでなく、間質性肺炎や皮膚結節など、全身に症状が出る疾患。

治療目標・治療薬

疾病により生じる疼痛の軽減、身体機能維持(非可逆的変化防止)、QOL 向上を目標とする。治療薬はメトトレキサート(MTX)が第一選択薬

MTXの投与方法

6 mg/week で経口投与。忍容性に問題なければ16 mg/week まで漸増。欧米では単回投与が主流だが、日本では2-4回に分けて12時間ごとに投与するのが主流。

6 mg/weekであれば、朝2 mg、夕2 mg、翌朝2 mgという投与が多かったが、現在では朝4 mg、夕2 mgという投与も多くなってきた。単回投与と分割投与のどちらが有用化はデータが少なく、いまだ不明のまま。

日本のガイドラインでは8 mg/weekを超えるようなら分割投与の方がよいとされていた。

葉酸の投与

MTXの副作用防止のために、葉酸が併用される事が多い。Drによっては副作用が出てからや高用量のMTX投与時のみ併用という場合もある。

葉酸はMTX最終服用の24-48時間後に投与することになっているが、このタイミングが最適かどうかはわかっていない。欧米では1 mgを連日投与するという方法も行われており、日本でもそのような投与をするDrがいる。

葉酸製剤としてはフォリアミンが使用されるが、フォリアミンはMTXとの併用に対して保険適応がない。葉酸製剤でMTXの副作用に対して保険適応があるのは活性型葉酸製剤のロイコボリンのみ。

2016年11月13日日曜日

小児薬用量の計算方法

添付文書の記載から求める

薬剤によっては添付文書に小児薬用量が記載されている。小児薬用量を知らない薬が処方されていたら、まずは添付文書を確認する。体重あたりの用量が記載されている場合と、年齢ごとの用量が記載されている場合があるので注意する。また、1 回量か1 日量なのか注意する。

添付文書に小児薬用量が記載されていなかった場合、成人量を確認した後に以下の方法で小児薬用量を計算する。

Young式から求める

Crawford式から求める

最も正確に求めることができるといわれてる。

体表面積の計算式はDu Bois 式が有名だが、Du Bois 式は成人の体表面積を求めるものなので、この式から求めた場合、小児の体表面積は正確ではないことに注意する。Du Bois 式をもとに定数を変更した高比良の式を用いた場合も、小児の体表面積は不正確である。

以下の式は上から順にDu Bois、高比良、藤本の式。

Augsberger式から求める

体表面積を計算して求めるのは大変なので、計算で求める場合、Augsberger 式が用いられることが多い。

von Harnack表から求める

年齢未熟児新生児6か月1歳3歳7.5歳12歳
薬用量1/101/81/51/41/31/22/3