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2017年10月16日月曜日

医薬品の分類(先発と後発)

医薬品の分類

昭和42年以前に薬価収載された医薬品

昭和42 年(1967 年)以前は、まだ先発医薬品や後発医薬品に関する制度が整備されていなかったため、全 ての医薬品が先発医薬品にも後発医薬品にも該当しない。ワーファリン錠、プレドニゾロン錠や亜鉛華軟膏な どがこのカテゴリーに属している。

このカテゴリーの医薬品の多くが局方収載されているためか、局方品は変更調剤できないという誤解が生ま れてしまった(局方品であるアムロジピン錠やイコサペント酸カプセルは疑義照会なしに後発医薬品への変更 調剤が可能である)。

少し補足?すると、変更調剤が認められるのは診療報酬上の後発医薬品のみである。医薬品が診療報酬上の後発医薬品に該当するか どうかは、厚生労働省のホームページにて確認できる。俗に局方品と呼ばれている医薬品は(本来、局方品とは、日本薬局方に収載されている医薬品 全てを含み、前述のアムロジピン錠やイコサペント酸カプセルなどを含む)、昭和42年以前に薬価収載されたものとなるため、 診療報酬上、先発医薬品にも後発医薬品にも該当していない。誤解の発端は、診療報酬上、 医薬品は後発医薬品とそれ以外の先発医薬品しかないという思い込みとおもわれる。

先発医薬品

新しい効能や効果を有し、臨床試験(いわゆる治験)等により、その有効性や安全性が確認され、承認され た医薬品は先発医薬品と呼ばれている(昭和42 年以前に承認された医薬品を除く)。

先発医薬品には、特許が切れて後発医薬品が存在するもの(アムロジン錠やリピトール錠など)と、まだ特 許が切れておらず、後発医薬品が存在しないもの(インチュニブ錠やイニシンク配合錠など)がある。

後発医薬品

先発医薬品の特許が切れた後に、先発医薬品と成分や規格等が同一で、治療学的に同等(生物学的に同等)であるとして承認さ れる医薬品は後発医薬品(ジェネリック医薬品)と呼ばれる。ジェネリック医薬品という名称は一般名(generic name)に由来する。

先発医薬品が存在しない後発医薬品

先発医薬品の特許が切れた後に発売されるものが後発医薬品と呼ばれるが、後発医薬品の中には先発医薬品 が存在しないものがある。

酸化マグネシウム製剤(マグミットなど)、アセトアミノフェン内服製剤(カロナールなど)や低用量アス ピリン製剤(バイアスピリンなど)のように古くから使用されている医薬品は全ての製剤が後発医薬品になっ ている(昭和42 年以前に薬価収載された医薬品と異なり、後発医薬品扱いであるとに注意)。

オーソライズドジェネリック

先発メーカーから許諾を得て製造した、原薬、添加物および製法等が先発医薬品と同一のジェネリック医薬 品をオーソライズドジェネリックと呼ぶ。 一般的なジェネリック医薬品では製剤特許などの関係で添加物や製造方法を先発医薬品と同じにはできない が、オーソライズドジェネリックは許諾を得ているため、添加物、製造方法も先発医薬品と同じである。

オーソライズドジェネリックは、製法が同じだけのもと、製造ラインも同一でパッケージのみが異なるものの2種類があり、 日医工では後者をオートジェネリックと呼んで区別している。

薬価が同額以下の先発医薬品が存在する後発医薬品

先発医薬品に比べ、開発費が少なく済むため後発医薬品の薬価は原則、先発医薬品よりも安く設定される が、後発医薬品の中には、先発医薬品よりも薬価が高いものが存在する。 先発医薬品よりも薬価が高い医薬品の例としては、テオロング錠(先発医薬品はテオドール錠)などがある。

薬価改訂を繰り返す内に、最低薬価となって先発医薬品と薬価が同額になった後発医薬品(アセトアミノ フェン坐剤100 mg やセニラン錠1 mg など)と、テオロング錠などのように先発医薬品よりも薬価が高い後 発医薬品を合わせて、逆転後発医薬品と呼ぶことがある。

基礎的医薬品

平成28 年度薬価改訂より、薬価基準収載から25 年以上が経過した医薬品の内、広く医療機関で使用されて いる品目について、不採算品目とならないよう、薬価が維持される制度ができた。この制度に該当する医薬品 は基礎的医薬品と呼ばれる。基礎的医薬品に該当する医薬品は、昭和42 年以前に薬価収載された医薬品同様に、先発医薬品にも後発医 薬品にも該当しない

セファクロルカプセルやワイドシリン細粒など、今まで後発医薬品だったものが、後発医薬品のカテゴ リーから除外されてしまったが、疑義解釈資料の送付について(その7)において、 基礎的医薬品であって、平成28 年3月31 日まで変更調剤が認められていたもの(「診療報酬における加算等の算定対 象となる後発医薬品」等)については、従来と同様に変更調剤を行うことができることが示された。

薬価未収載品

バイアグラやザガーロのように薬価基準に収載されていない医薬品は、薬価未収載品や自費薬と呼ばれて いる。 薬価基準未収載品にも特許が切れた後に発売されたもの(シルデナフィル錠「トーワ」など)があるが、後 発医薬品には該当しない(薬価未収載品は薬価基準に収載されていないため、先発医薬品にも後発医薬品にも 該当しない)。後発医薬品に該当しないため、変更調剤には疑義照会が必要となる。

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