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2017年5月23日火曜日

原薬量・製剤量の変換 その1

原薬量から製剤量への変換は割合計算です。

割合の公式と塩水の例

公式は、「比べられる量 = もとにする量 × 割合」ですね。また、1%は0.01ですね。

算数の教科書によく載っていたような塩水で考えると、「比べられる量」は「塩」の量、「もとにする量」は「塩水」の量です。10%の塩水100 gに含まれる塩の量($x$ gとします)を求める場合、公式にあてはめて次の式で算出できます。\[ x = 100 \times 0.1 = 10 \]

先程は比べられる量を求めましたが、割合と比べられる量から、もとにする量を求めるにはどうすればいいでしょうか?

「比べられる量 = もとにする量 × 割合」なので、この式を変形して「もとにする量 = 比べられる量 ÷ 割合」ですね。

塩4 gを得るのに必要な海水(塩濃度は4%とします*1 )の量($y$ gとします)を求めてみましょう。ちょっぴりファンタジーになってしまいますが、海水を加熱して水を飛ばせば塩のみが残るとします。

公式にあてはめて、\[ y = 4 \div 0.04 = 100 \]となります。

医薬品における比べられる量ともとにする量

医薬品における「比べられる量」と「もとにする量」は、それぞれ「原薬量」と「製剤量」です。したがって、公式はこうなります。「原薬量 = 製剤量 × 割合」、「製剤量 = 原薬量 ÷ 割合」。

質量濃度(%)と質量/体積濃度(v/w%)

公式が分かったので、あとは数字をあてはめて求めるだけなのですが、原薬量と製剤量の変換には、まだ曲者が存在します。

パーセント(%)は割合を表しますが、それには質量濃度と質量/体積濃度*2があります。

質量濃度はもとにする量も比べられる量もともに単位はグラム(g)です。一方、質量/体積濃度は、もとにする量の単位はリットル(L)、比べられる量の単位はグラム(g)です。

10%の塩水があるとします。この10%が質量濃度なら、塩水100 g中には塩10 gが含まれます。10%が質量/体積濃度なら、塩水100 L中には塩10 gが含まれます。

塩水の例のように、パーセント(%)は質量濃度であることが多いですが、医薬品においては散剤は質量濃度、液剤は質量/体積濃度になっています。質量/体積濃度の場合、%ではなくv/w%と書くこともありますが、医薬品ではどちらも単位は%で書かれています。

私にはこの程度の説明しかできませんので、あとはGoogleなどで調べてください。とにかく、10%の製剤は散剤なら100 g中に原薬10 g、液剤なら100 L中に原薬10 gが含まれています。

半端ですが、その2へ続きます。


*1 : 実際の海水濃度は3.5%くらいらしい
*2 : ただしい用語なのかは知らない

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