その1の続きです。
実際の計算(製剤量→原薬量)
ここからは実際の計算です。
アスベリン散10%を0.6 gはかったとき、原薬であるチペピジン*3は何ミリグラム含まれているでしょうか?「原薬量 = 製剤量 × 割合」ですので、この公式にあてはめて、\[ 0.6 \times 0.1 = 0.06 \] ですね。ここででてきた0.06はグラムなので、ミリグラムにすると60 mgとなります。
シロップについて考えましょう。アスベリンシロップ0.5%を12 mLはかったとき、原薬であるチペピジンは何ミリグラム含まれているでしょうか?「原薬量 = 製剤量 × 割合」ですので、この公式にあてはめて、\[ 12 \times 0.005 = 0.06 \] ですね。同様に単位をミリグラムにすると、60 mgとなります。
実際の計算(原薬量→製剤量)
今度は原薬量を製剤量に変換してみましょう。
アスベリン散10%を原薬量で30 mgはかりたい場合、製剤を何グラムはかればよいでしょうか?「製剤量 = 原薬量 ÷ 割合」ですので、この公式にあてはめて、\[ 0.030 \div 0.1= 0.3 \]ですね。
次はシロップについて考えましょう。アスベリンシロップ0.5%を原薬量で30 mgはかりたい場合、製剤を何ミリリットルはかればよいでしょうか?「製剤量 = 原薬量 ÷ 割合」ですので、この公式にあてはめて、\[ 0.030 \div 0.005 = 6 \]ですね。
変換は結局割合の計算なので、基本となるのは算数の知識です。重さの単位がグラム(g)ということに気をつければ、特に問題なく変換できるのではないでしょうか。
他の計算(原薬量→製剤量)
算数で習う公式から求めることができましたが、別の方法でも求めることができます。
比の考えで求めてみます。
アスベリン散10%は製剤1 g中に原薬100 mgが含まれます($1 \, {\rm g} \times 0.1 = 0.1 \, {\rm g}$)。原薬量で30 mgはかりたい場合、求める製剤量を$x$ gとおくと、 \begin{eqnarray} 1 \, {\rm g} : 100 \, {\rm mg} &=& x \, {\rm g} : 30 \, {\rm mg} \nonumber \\ x &=& 30 \div 100 \nonumber \\ x &=& 0.3 \, {\rm g} \nonumber \end{eqnarray} となります。
シロップについても考えましょう。アスベリンシロップ0.5%は製剤1 mL中に原薬5 mgが含まれます($1 \, {\rm mL} \times 0.005 = 0.005 \, {\rm g}$)。原薬量で30 mgはかりたい場合、求める製剤量を$y$ mLとおくと、 \begin{eqnarray} 1 \, {\rm mL} : 5 \, {\rm mg} &=& y \, {\rm mL} : 30 \, {\rm mg} \nonumber \\ y &=& 30 \div 5 \nonumber \\ x &=& 6 \, {\rm mL} \nonumber \end{eqnarray} となります。
まだ別の考え方があります。
アスベリン散10%というのは、次のようなイメージです。
製剤量のうち10%が原薬なので、面積または数直線として表すと、原薬量の10倍が製剤量となります。したがって、原薬量が30 mgの場合、製剤量は$30 \, {\rm mg}\times 10 = 300 \, {\rm mg}$となります。
*3 : 厳密にはチペピジンヒベンズ酸塩のチペピジンクエン酸塩相当量を求める
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